セールスが売り上げに繋がらない原因
目次
はじめに
御社のセールス担当の売り上げ業績に悩まれていませんか?
業績の思わしくないセールス担当は、「顧客から自分への評価が低いこと」、「その原因を認識していないこと」が、そもそもの問題である場合が多いです。
なぜ取引先や長年のクライアントを失ったのか、それらの原因を追求するために時間を使っていません。
なぜ自分ではなく他のセールス担当にクライアントを奪われたのか、原因を理解しておらず、コントロール不能なことが原因なのだから仕方がないと開き直ることさえあります。
セールス担当が成功できない7つの原因
BtoB(企業間取引)のクライアント、異なる企業からの参加者200人以上を対象に行われた調査から、セールス担当が犯した間違いと、なぜビジネスを失うのかについてをまとめた7点を紹介します。
1)信頼も尊敬もされていない
セールス担当に対するクライアントからの見えかたは、何かを販売しようとする人、一緒に仕事をしている仕入れ先、クライアントのビジネスに欠かせない戦略的パートナー、または信頼できるアドバイザーなどです。
アドバイザーとして信頼を得ているセールス担当は、競合のセールス担当よりも明らかに優位です。
しかし、顧客が過去に出会ったセールス担当の内信頼できるアドバイザーだと認識されている人は18%に留まります。言い換えれば、信頼も尊敬もされていない場合がほとんどです。
2)上級管理職と効果的に会話することができない
セールス担当はクライアント企業の下級レベルおよび中級レベルの担当者と頻繁に面会します。一方で、経営幹部レベルの意思決定者である上級管理職と会話することは少ないですが、こちらの方こそが取引に勝つかどうかを左右します。
したがって、セールス担当にとっては、経営幹部レベルの意思決定者がどのように考えているかを理解し、彼らが使用する言語でコミュニケーションをとることが重要です。
しかし、残念なことに、1/3のセールス担当しか上級管理職と効果的な会話をすることができていないという結果になっています。
3)商品・サービスがどう役立つかをクライアントに明確に説明できない
クライアントは購入決定を正当化するために、説得力のある証拠や情報を集めます。
つまり、商品・サービスの価値には、クライアントの担当者が上級管理職や社内の人へ説明できる説得力のある理由や根拠が含まれます。
収益増加、コスト削減、競争上の優位性の獲得、リスクを軽減するための業務の標準化などさまざまな価値があります。
しかし、自分の商品・サービスがクライアントまたはエンドユーザーにとっての解決策となり、クライアントのビジネスにどのような影響を与えるかを明確に説明できるのは、出会うセールス担当の54%に過ぎないという結果になっています。
4)自己中心的である
調査の参加者に「セールス担当と面談したくない主な理由」を選んでもらいました。その結果、自己中心的なセールス担当から以下のようなプレッシャーを感じていることが明らかになりました。
44%:セールス担当個人は身勝手な都合(コミツション等)ばかりを考えて販売しようとしている。
25%:セールス担当は自社の売り上げに関心があるだけ。
23%:セールス担当に断りにくく、心地悪い。
8%:セールス担当自体と関わりたくない。
この調査結果からの教訓は明らかです。セールス担当は収益のみに焦点を当てるのではなく、クライアントが目標を達成するのを支援することにもっと注力すべきです。
5)商談成約のための戦略が間違っている
クライアントの反応を理解するために、調査参加者へ異なる商談成約のテクニックを提示する実験を行いました。
全体的に見て、商談成約手法の1つである「今回はこのオファーを受けることのできる最後の機会です。」などの、強引な商談成約手法は効果が最も低いと評価されました。「はい」か「いいえ」のような二者択一を迫る商談成約手法は、強要されているという印象をクライアントに与えます。
一方、「さらにXX円分追加でご購入いただける場合は、ご注文の合計額から10%値引きします」などの、条件によってメリットが得られるような選択肢を提示する手法は効果的と評価されました。このような手法は「提案」されているようにクライアントは受け止めます。
よって、強いられているのとは違い、提案に基づいて自分の意思で行動していると思わせるようにクライアントを導くことができます。
6)クライアントが抱えるリスクを軽減することができない
クラアントは過去の経験から、営業してくる相手に対して多かれ少なかれ疑いを持っているため、BtpB(企業間取引)のクライアントはリスクを軽減することを強く求めます。
したがって、クライアントはセールス担当に対して、面倒な評価シートを記入させる、各商品機能を文書化して説明させるなどして、大量の要求に応えさせます。
長期に及ぶ評価のプロセスを踏んだ後に、商談成約とならない場合、主な理由の一つは、セールス担当がクライアントの購入リスクを軽減することができていなかったためです。
リスクに対する許容度は、機能や業界によって異なります。ITや会計といった業種はリスク許容度が低くなります。ファッションやメディアなどのクリエイティブな分野は、リスク許容度が高くなります。
セールス担当はクライアントのリスクに関する疑念を和らげるために、これらの原動力を理解する必要があります。
7)クライアントと個人的なつながりを確立できない
クライアントがセールス担当を尊重し、セールス担当の粘り強さに対して気分を害さずに関係を築くためにはポイントがあります。
クライアントが特定のセールス担当と個人的な繋がりを感じない主な理由は次のとおりです。
- セールス担当が強引すぎた
- コミュニケーションのスタイルに違いがあった
- セールス担当の性格は自分とはかなり異なった
- セールス担当は私と仲良くなろうと余りにも熱心すぎた
- 年齢に違いがあった
ほとんどのセールス担当は、特定の種類の人々には非常に容易に販売をしています。しかし、彼らが自分とははるかに異なる思考回路を持つクライアントと信頼関係を確立する可能性は非常に低いです。どう行動すれば良いのかが正確にわからないので、クライアントがしつこいと感じてしまうか、または、過度に馴れ馴れしいと感じてしまうこともあります。
クライアントの81%が、自分自身と同じ思考回路を持っているセールス担当と話をしたいと答えたのは当然のことです。結果、クライアントはより信頼関係を築けるセールス担当を選択することになります。
セールス担当はコミュニケーションのカメレオンになれる柔軟性を持つことが必要です。カメレオンが周囲の環境に合わせて色を変えるように、セールス担当の目標は、懐疑論者を信者に変えるために、クライアントの言葉(業界、技術、および職務)に合わせて話すことです。
調査結果の詳細
この調査の目的は、実際にBtoBのクライアントの気持ちを理解することでした。
クライアントが出会うセールス担当に対する認識はどのようなものか、そしてクライアントは最終的にどのように選択するのか?
調査参加者は、彼らの性格の傾向を理解するために、様々な項目について広範な調査を実施し、現実世界の販売シナリオについて意見を述べるよう求められました。
調査のテーマは次の4つです。
- 販売側と買い手側の認識の違い
- 販売側が間違っていること
- 買い手側の行動を理解すること
- セールス担当がクライアントとのやり取りを円滑に行う方法
以下が調査の結果、それぞれ分かったことです。上記7点のポイントをさらに詳細に記載してあります。
①販売側と買い手側の認識の違い
- クライアントによるBtoBのセールス担当に対する評価は2/3が平均的、またはそれ以下である。
- セールス担当の18%だけが、クライアントに尊敬され信頼できるアドバイザーとして認識されている。
- 上級管理職と効果的に会話できるセールス担当は31%のみ。
- 自社が提供するサービス・商品がクライアントのビジネスにどのようにプラスの影響を与えるかを明確に説明できるセールス担当は54%に過ぎない。
②販売側が間違っていること
- クライアントはセールス担当の営業ノルマを感じ取り、プレッシャーに感じている。
- セールス担当は、売り込みばかりをし、クライアントの要求に耳を傾けていない。
- コミュニケーションのスタイルと個性の違いがクライアントを遠ざける。
- セールス担当は、自分とは異なる視点の相手にアプローチを適応させていない。セールス担当は、異性の顧客の考え方や行動パターンに合わせて相手にアプローチしていない。
- セールス担当は関係を築きたいがクライアントが忙しすぎるから関係を築けないと勘違いしている。
③買い手側の行動を理解すること
- 営業担当者と購買担当者の性格はまったく異なる。
- 買い手側は売り手側が考えるより本能的である。
- 買い手側がどのように情報を受け取るかは、彼らの選択に影響を与える。
- 2/3の購入者ができる限り競合を避けようとする。
- 2/3の購入者が、セールス担当に対して本当の意図を明らかにしない。
- 購入者の70%近くがプレッシャーを感じている。
- 購入後の買い手側の後悔は、70%の確率でセールス担当が原因ではない。
- 購入側にとって、沈黙は合意の意味ではない。
- セールス担当の服装がクライアントの印象に影響を与えている。
- BtoBの販売サイクルはリスク軽減に基づいている。
- クライアントは、自分の組織を通して購入をプッシュするさまざまな能力を持っている。
④セールス担当がクライアントとのやり取りを円滑に行う方法
- 競合会社の商品の機能と価格に差がない場合、クライアントは特定の種類のセールス担当を選ぶ。
- 70%のクライアントが今までと異なる新しい思考に挑戦しようとしない。
- 「強引な商談成約手法」は、クライアントと共鳴する可能性が最も低い。
- 81%のクライアントが、同じ話し方(例えばフランクに会話するタイプのクライアントには堅苦しい敬語を並べた話し方ではなく、フランクに話す)で誰かと話すことを好む。
- クライアントの半数が、Eメールが最初のミーティングへと持ち込むキッカケとなる最良の方法であると述べている。
- クライアントは週の中で火曜日が連絡をとるための最もよい日であると回答している。
- ほとんどのクライアントは、セールス担当が最初のセールスコールの直後にフォローアップせず、数日間を開けることを好む。
- 3人中2人のクライアントが、会議の前にセールス担当の プロフィールをSNSで閲覧している。
- 購買担当者間の多様性により、セールス担当は直感で自分のアプローチを適応させる必要がある。
まとめ
いかがでしたか?ご自分の経験と照らし合わせて共感できるところがありましたか?
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